キングはパピヨンだった
大きなタイプのパピヨン
血統は良すぎる位だった

私のところに来て丸三年、ある日突然に、逝ってしまった


キングは前々日まで上機嫌で散歩に行っていた

危なくない土地で、私は自転車に乗り、リードを腕につけてキングを思いきり走らせた

キング!と呼ぶと、必ず走りながら私を見つめたものだ

私の都合で散歩に行けない日には、私に背中を見せて、抗議の意思を示した

かわいくて利口な犬だった

ある日突然に元気がなくなり、病院に連れて行ったときには、血液検査で、厳しいと言われた

先生に頼み込んで、付き添いを希望した
あまりにも速い別れだったから

翌朝、キングは一輪の淡いピンクの薔薇を添えられて、私に抱かれて家に帰って来た


庭に埋められて、ずっと一緒にいる

友人は血統が良すぎて、急に早世したのだと言う

私の喪失感は永遠になくならない

キングは愛らしく賢い、私の子どもだったから