ハクは、一日のほとんどを、寝ている。

ぐっすり眠っているところを、私に、抱きとられることがよく、あります。

急に抱きとられても、ハクはいやな顔をしません。眠った姿勢のまま、少しずつ、伸びをしながら、私に抱かれます。

私は、重さと、ハクの温かさを感じながら、抱いたまま、いつもの私の椅子に、どっかりと座り込みます。

ハクを撫でて、感触を確かめながら、

私は、幸せを感じます。

ハクは、以前と、思い切り、全身で伸びをしながら、私のするがままになっています。

 ハク、なんて、可愛いんでしょう。

私は、飼い主の幸福を味わっています。重くて、腕がつかれたら、そのまま、膝に下ろします。

ハクは、まだまだ、あらがいません。大人しい子なんです。

しばらく、背中や、お腹、あごを撫でます。そしてハクがそれに飽きると、やおら、身体を動かしはじめます。

それを潮に、私は、ハクを床に下ろして、

私の腕から解放してあげます。

 
  ハクは、そっと、歩いて行きます。