2014-2-14 20:31
『あの子』
記憶の片隅に、確かにあの子が居た。
子供の頃、小さな公園でよく遊んでいた。
そこに行くと、いつも同じブランコに乗っていたあの子。
約束もしないで毎日のようにそこに通っては遊んでいた。
大きくなるにつれて、友達も増えてそこに足を運ばなくなった。
名前も顔も思い出せないのに、でも大切だったはずのあの子。
どうして忘れてしまったんだろう?
もう一度、あの場所に戻ればあの子のことを思い出せるだろか。
今、電車に乗ってあの町に帰っている途中だ。
END.
2012-1-23 23:30
『星と君の世界』
どうして君は泣いてるの?
世界はこんなにも優しく君を包んでるのに…
君の悲しみが消えるまで僕が歌ってあげるから
どうして君は笑えないの?
世界はこんなにも温かく君を迎えてるのに…
ほら顔を上げて、涙を拭って、空を見上げて
そこにはいつも輝く星があるから…。
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大昔の遺物を引っ張り出してきました;
懐かしすぎて忘れてた(笑
これは詩です;
=======End=======
2011-4-7 18:41
『思い出』
一つの部屋に、彼と彼女が居た。
彼と過ごした日々は、色とりどりの思い出…。
彼女は色褪せる事が無いように一つ、一つ小瓶に詰める
「ねえ、見て…キレイでしょ?」
キラキラとヒカリを反射するビー玉を彼女は思い出と謳い。
彼はそれを、『只のガラクタだ…』と破棄捨てるように嘆息した。
一つの部屋に、彼女とガラクタだけが残った…。
END.
2011-1-21 14:30
『少年の世界』
この町の高台に少年は立って町を見渡すと少年は溜め息を吐きながら呟いた。
「ふぅ〜……見てみなよアイリス、この世界の醜さを」
語りかけても彼女は答えてはくれない、それでも少年は気にせず喋り続ける。
「ここに住んで居る町の連中は、同じ仮面を被って同系色に染まって逝くんだよ…想像しただけでゾッとするでしょ?」
少年は両手を上げて高らかに言った。
「僕はそんな奴らと一緒になって逝くのは嫌だ!君だってそうなんだろ、全てを見たくなくてだから目を閉じてしまったんだろ?」
「何も聞きたくなくて、だから耳を塞いでしまったんだろ?」
「語ったって無駄だから、口を噤んでしまったんだろ?」
少年は振り返り寂しさを押し殺した声で「だから全てを捨ててしまったんだろ?」
少年の見詰めた先にはアイリスと彫ってある墓石がひっそりと佇んでいた。
END.