私
「そうだそうだ、この間
貴方としか話せそうじゃないことを
独りで考えてみたの」
隼人
「どんな事かな?聞かせて欲しい」
私
「貴方と出会った時に、私は凄く不思議な感覚になったの
それを今でも覚えていて
何故一時間が60分なのか、一分が60秒なのか
一年が大体365日なのか、そういうレベルの話だよ
既に、私達が生きている世界では
それが当たり前であって、違う次元で捉えたら
実はそうでは無いんじゃないのかと」
隼人
「死んで来ている脳細胞を
フル活用しているようで、僕は嬉しく思うよ」
私
「ねえ、隼人は最近、何を疑問に感じた?
教えて欲しいの」
隼人
「きっと、猫柳は刺激が欲しいんだね」
私
「あながち間違いではない、で教えてよ」
隼人
「そうだなあ、愛について考えたよ」
私
「愛?一番難しいテーマだね」
隼人
「そうだね、形が決まっていないから
すんごい難しかった」
私
「難しかった?と言うことは
自分なりの結論は出たと言うこと?」
隼人
「まあ、一応ね(笑)
それが世界の正解ではないだろうし
他人の正解でもなくて、自分自身の正解ね」
私
「けど、結論にたどり着けるって
すんごい気持ちが良いことだよね」
隼人
「僕もそう思うよ」
私
「昔さ、二人で時間とか、一年とか
勉強とか、色んなテーマで沢山話したよね」
隼人
「そうだね、くだらなかった
答えなんて携帯で調べれば出る時代
けど、楽しかった」
私
「テーマよりもコミュニケーションを
私たちは当時求めていたのかな?」
隼人
「コミュニケーションね、当たってるかも
僕も当時は友達がいなかったし
人との関わりを持ちたかったんだと思う
こういう日々の当たり前の疑問を話したところで
誰も理解してくれなかったし
寧ろ気持ち悪がられていたくらいだから」
私
「私もね、当たり前であっての疑問を
友達に話しても、なにそれ〜!わかんないよ!
って、軽くあしらわれる事が多かった
でも、隼人だけはいつも真剣に
日付が変わっても電話したり、会ったり
納得いく答えまで導き出して
そういうのが楽しかったのかな
今でもやりたいって思うよ」
隼人
「やりたいって(笑)」
私
「いや、そーいう意味じゃなくて
討論し合いたいの徹底的に!!!」
隼人
「たぶん、二人だけででしょ?」
私
「私と隼人と?」
隼人
「そう、僕達の気持ち悪さは他人には理解されないから
僕は子供が抱く疑問と同じレベルだって思っている
他人から見ればね、この世界に準じて生きている人間全般に
そんな当たり前、いつだってぶち壊せるのにね」
私
「私も隼人も気持ち悪いのカテゴリーの人間かも」