天空に浮かぶ島々を巡り、空賊と呼ばれる空の盗賊達が飛び交う世界・ガーディア。
その一地方、年中氷と吹雪に覆われた地帯にいくつもの都市国家が存在するアーヘン大陸。
「………………はぁ…………はぁ…………!」
「……………………陛下、大丈夫ですか!?」
「俺は平気だよ、ミツキちゃんは…………。」
青年と少女の2人は吹雪の中を必死に走っていた。
その後ろからは追っ手が迫っている。
「同契(リアクト)しますか?」
「いや、今は無駄な体力を消耗したくない。
俺達の目的は故郷から逃げることだ。
父さんも母さんも、全部引き受けている間に俺達は逃げなくちゃ…………。」
「………そう、ですね………。」
「それに君は子供を産んだばかりでまだ体力も完全に回復していないだろう?
そんな状態の君を戦わせたくはない。」
少女の腕には生まれて間もない男児がスヤスヤと眠りについていた。
「…………………………。」
「さあ、行こう。ミツキちゃん。」
「…………はい!」
続く。