大阪府警が2008〜12年、自転車盗など計8万1307件を犯罪統計に計上せず、犯罪を少なく見せかける不正処理をしていたことが30日、わかった。

この間の府内の刑法犯認知件数(計約93万件)の1割近くに相当し、全65警察署で行われていた。府警は当時、組織を挙げて街頭犯罪件数の全国ワースト1返上に取り組んでおり、「現場に件数抑制の重圧がかかっていたことが背景にあった」としている。

警察庁によると、犯罪統計の不正の規模としては過去最大。府警は同日、幹部らを本部長注意とするなど当時の関係者計89人を内部処分した。

府警では13年、堺署による6538件の過少計上が発覚し、黒山署でも同様の不正が判明したため、堺署を除く64署を対象に調査。この結果、新たに7万4769件の未計上がわかった。

大阪府が09年まで10年連続で最悪だった街頭犯罪8手口(ひったくり、路上強盗、自転車盗など)の認知件数について、府警は10〜12年に東京都を下回り、2位になったとしていた。しかし、未計上分を加算すると3年とも東京を上回っており、ワースト1返上は虚偽だったことになる。
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