東京都のワクチン証明アプリ 登録わずか3% 協賛店も広がらず

2021年12月18日 19時00分

 コロナ禍での経済再開の切り札と政府が位置付けるワクチン接種証明のアプリが、浸透していない。先行的に始めた東京都の登録者は、2回接種済みの都民をベースに計算しても、わずか3%ほど。20日から始める政府のアプリを巡っても、もとになるデータの不備が発覚した。接種証明は本当に使えるものなのか。(中沢佳子)

◆割引、「1杯無料」など特典あるものの…

 都は11月から、無料通信アプリ「LINE」を使った「TOKYOワクション」を開始。氏名や生年月日を入力し、運転免許証などの本人確認書類の画像と、「接種済証」「接種記録書」の画像を送信して登録する。協賛の飲食店や商業施設などで接種の証明画面を見せると、割引などの特典がある。
 ただ登録者は今月13日昼時点で33万4000人余り。都企画政策課によると9割以上が都内在住だが、全員が都民だとしても都内の2回接種者の3%ほどにとどまる。協賛店は約2500店で、飲食店が多い。

 東京・亀有の「お好み焼き もんじゃ嵯峨野」は、都のアプリの証明画面を見せると、来年3月末までソフトドリンク1杯が無料になるようにした。吉田正輝店長は「外食を控えていた人が来店するきっかけにと考えた」と述べる一方、「特典を使う人は1週間で3、4人ほど。どの店でどんな特典があるのか、知られていない」と苦笑する。