嵐ヶ丘を聴いていたら、突然視えたビジョン
吹き荒ぶ嵐の様に、黒い背景を踊る影
非常に素早いステップで、伸びやかに軽やかに、舞いながら描く
シルエットに宿る光は青紫
激しく、力強く、躍り狂い描き狂う
飛び散る色彩
白い背景、黒い背景もそれに汚され染められる
やがてそれは一冊の本だと知り、そのページはバラバラに巻き上がる
首を絞めて
石を振り上げて
笑う背中に小さなナイフ
汚す、極彩色
目の醒める様な蛍光ピンク、深い群青、黄緑……
人工的子宮、彼等の母胎はエーテルに満ち輝く
ひび割れた緑、青紫、赤紫、穏やかなピンク、赤と青
「さぁ、欲望の様に、充たして?」
「なんてことは無い。ただの気紛れ」
「ほら、何時も通りさ」
「この色に染まって」
「その運命を変えて」
「あの未来を壊して」
「全ては嘘。泡沫の戯曲。
構わないだろう?
一時の夢幻、永遠の螺旋」
笑う、絵描きは間違いなく表現者だった
つまり
このビジョンは
瀬戸不識の魅せた一面である