目隠しの物語(ブラインドストーリー)を主軸とした構想について
まず大前提として、ブラインドストーリーは本編では無いので颯刃達は全くと言える程絡みません
例えるなら読まなくても物語に影響が無い小話、みたいなモノですね
本編にかかる矯正等を緩和するのが目的に綴られています
本来の世界時軸上では世界は崩壊の道を進むしかありません
本編の世界時軸(颯刃達の物語)を進めるにあたり、その修正が厳しくかかると崩壊不可避なルートに選択が流れやすくなってしまう訳です
(漣ルートは主人公の入れ替わりにより崩壊ルートに修正されています)
だから、あえて修正される(本来の選択通り)の話と本来と異なる可能性を含む話を身代わりにしています
ブラインドストーリーは認識された物語(聖書)
をベースに紡がれた2つの話を指します
1つめの物語は『ノアの方舟』がベース
災厄を救済の舟で逃れた生命が新天地に移住する話
災厄(世界崩壊)が引き起こされた現実生活の方舟(施設)から新天地を探す2羽の鳥が放たれます
先に方舟から放たれたのは鴉
鴉は方舟には戻らず姿を隠してしまいました
これは斎を指します
施設から逃亡して各地を放浪としていましたが、逃亡そのものは紫月さんの思惑通りだった訳ですね
(あえてFFを解除していたり、追っ手を直ぐに向かわせなかったり)
斎は『世界数値』を体内に回収、蓄積させながら成長していきます
クレイドルやサイレントメビウス、学園にエゼルを編入させたりして斎を監視し一定の成長を遂げた事を確認する
そして、学園生徒である斎の前に再び紫月さんは現れます
東條さんの特殊スキルは基盤として世界数値を使い特殊方程式を駆使する斎への対策として構築されており、魔力を削がれた斎は再び施設へと回収されてました
(Ep:4以降の話で斎が一度行方不明になる)
そして、再構築された存在『夢鯨零示』が精製され軽いテストの後再び施設から放たれます
零示は鴉の後に放たれた鳩の役割
なので世界数値を回収出来ない代わりにリベリオン(博士)にメガシティへの道が開かれつつある事を暗に伝えて居ました
(新天地を示すオリーブの葉)
この話を語られずとも何故か『知っている』朔夜が斎を鴉座の星「アルキバ」零示を鳩座の星「ファクト」として形容しています
2つめの物語は『カインとアベル』の話がベース
チョイチョイ話に書いていた『家族の話』『兄弟の話』でもあります
最初に造られた人工知覚者がメイン
分かりやすくすると『瀬戸不識を主軸とした物語』になります
当初はエーテル適応で魔力の高い朔夜がカインの役割を担う予定でしたが、過度の魔力増強により言語障害を患った為に正常に作動する不識が『カイン』の役割が与えれます
カインとして世に産まれた彼は「……セト……フシキ……」と第一声を発します
それはそのまま『瀬戸不識』として彼の名前になりました
続けて精製された人工知覚者は斎
彼にはカインの弟である『アベル』の役割を与えます
アベルとして産まれた斎は鴉の役割で施設を逃亡していきますが神に愛された息子としてその身に『世界数値』を刻む役割を続けます
東京戦争(教団と学園の全面対決)の際に予定調和通りならば斎はメガシティへと進みますが、世界が矯正されているとメガシティへと到達する前に不識によって殺害されるフラグが有ります
斎が死ぬと世界崩壊ルート確定になりますが、斎の生死が矯正率の判定になっている節があるので、そこまでどんな選択を重ねても不識との戦闘は確定イベントとして避けられない模様
(あくまでもカインとアベルを模した状態なのでvsサイレントメビウスでは無くvs不識です)
不識と行動を共にする姫菜にもこの物語上の役割があります
姫菜はカインの妹であり妻となる娘『アワン』として行動しています
基本的に不識以外はこの物語と役割について意識が有りません
逆に言えば不識だけが自分がカインであると認識している状態です
それは無感情だった人工知覚者に自我を与えた際に『刷り込まれた記憶』と感情が機能しているから
カインとしてアベルを妬み殺し、追放されて妻と彷徨う記憶
何度も何度も、知らない他人(カイン)の記憶を追体験するうちに別な記憶が誘発される
それは知らない場所で何度も何度も斎を殺害する記憶
(紫月さんが世界時軸が跳び越えて繰り返す内に形成場へと蓄積された記憶のフラッシュバック)
小さな少年の脳裏に激しい奔流として組み込まれたそれらの記憶は紛れもない『他人事』であり『己の記憶』
やがて不識は繰り返す物語を漠然と認識し、それを拒否しようと暗躍し始めました
不識が自分を「お兄ちゃん」と形容するのは記憶由来で確かに斎と姫菜達と兄弟だから
(維透や水那達や他のキャラに対しては年齢的な意味合いやふざけているだけ)
斎を本当の弟として殺さない道を探し
姫菜を心から愛する妹(妻としての意味合いは若干)として守る
そして、もう一人
不識は顔も声も知らない弟を探しています
確かに存在する、感じる、しかし何も分からない家族
それは不識自身が知っていた存在で、最初から探していた存在『セト』
無意識に彼が発した言葉は他ならぬその名前だったのです
(不識が不識自身として話した言葉はフシキと言う音、先に呟いたセトと言う音は弟の名前)
施設で斎より後に精製された男性は維透ですが、彼に与えられた役割は舞台の変動のみでブラインドストーリーには絡まない
従って施設組に斎より下の弟は居ないのですが、不識はセトの存在を確証の無い確信で信じています
不識から見た配役は
カイン(得る者)としての自分なんだから、俺が欲しいモノを得ようとしても良いじゃないか
運命染みた記憶も負わされた呪いなんてのもどうでもいいけど、俺の家族だけは何がなんでも取り返す
アベル(気息、空虚)とした斎については神(世界構築に関わる)の息遣い(選択に関わる存在)であり、実体の無い虚ろな存在(零示)
御託を取り払っても自分の大事な弟だから殺さないし殺したくない
アワン(不義)とした姫菜にはカミサマ(紫月さん)を盲信し愛する娘、そりゃあ夫(不識自身)から見たら他の男に恋する不義だが、姫菜自身からすれば一途過ぎる純愛なんだろう、と
カミサマから言われたら愛してない男(姫菜から見た不識)と結ばれちゃうとか
不憫極まりないし、そんな扱いするカミサマって何様なのさ?
御託取り払っても愛する娘だから精一杯大切にするし、甘やかしたい
(結果として姫菜からウザがれる現状w)
セト(備える、授ける)は何処に居るかは解らないけども、もう独りぼっちになんてさせない
君が生きてる気が確かにするから見付け出す、運命染みたモノが邪魔しても必ず君の所へ行くから、待っていてくれ
……不識も知らない配役がもう一人います
人工知覚者では無かったから盲点だったのかも知れませんがそれは憂です
憂の配役は『アズラ』何を隠そう彼女はセトの妻の役割でした
紫月さんはセトの存在を予見しており、それに対して彼女を配置しましたが実際に彼女がその役割を演じるかどうかは極めて無意味なモノになってしまいました
(本編終了時点で世界崩壊が回避されるルートに変化、その為ブラインドストーリー自体に意味が無くなった)
ついでに言うと双子は舞台の変動と安定調整役
エゼルは事象と物語の記録者
東條さんは揺らぎを引き起こす二律背反でした
さて、役者から魔力を以て舞台装置になった朔夜ですが
彼が何故知らない物語を知るかと言うと1つは彼がカインになり損ねた存在だから
不識のフラッシュバックに近い感覚を共有する事で不識しか認識していないはずの関係性を認知しています
(それを不識に好意で伝えた所、逆に嫌われる羽目になりました)
もう1つは彼が持つ莫大なエーテル魔力の為に自室に居ながら外の感覚が視えている為
(千里眼や幽体離脱に近い感覚だが、
あくまで感覚な為実際や詳細までは解らない)
本編の物語が終了すればこの物語自身も終了になりますが、それまでに紡がれた関係性は多分終わらないんだろうな、と思います
物凄く余談ですが、番外ifストーリーでは不識、斎、姫菜(+弟)達は本当の兄弟家族として生活していたりしますw
さりげなく想像していて楽しいです