斎が漣を離反に誘ったのは『使えるから』だけだろうなぁ……って思っていたんですよ
漣自身、学園(機構)のやり方が気に入らなかったみたいだし
でも、何かちょっとそれだけじゃ無かったのかな?なんて見え始めてます
真っ赤な橙、赤紫滲んでみる世界
「お前も、そう なんだろう?」
「は?」
「安定に留まるガラじゃ無い」
「まぁ……そ〜だな」
「温い環境じゃ、満足出来ない」
「そりゃ、多少の刺激ぐらい欲しいだろ?」
「生死のギリギリの方が燃える」
「戦闘ってのはそう言うもんだからな」
「いっそ、全部を壊したい」
「あ?」
「倫理観も常識も法律も」
「あぁ」
「敵も近い存在も」
「ん?」
「俺も、お前自身も、壊したい」
「いや、ちょっと待て。
そりゃ幾らなんでもオカシイだろ」
「そうか?」
「そうだろ。どんなサイコパスだっつ〜の」
「だが事実だ」
「……テメェには言葉通じ無ぇのか?」
「なら何故死に急ぐ?」
「……」
「何故、その可能性を主張する?」
「別に」
「怖いか?」
「怖く無ぇよ」
「殺されたいなら、シてヤろうか?」
「何だよ、それ」
「望む様に与えてヤる。
痛みも感じる間も無く早急に」
「……」
「あるいは、じわじわと侵食する様に」
「……」
「どうだ?」
「要らねぇ」
「ククッ、だろうな」
「アホか。誰がテメェなんかに殺されなきゃなんねぇんだよ」
「ソレは俺が担うには役不足だろう」
「……」
「足元から崩れ去る瞬間に、興奮しないか?」
「きめぇ」
「堅牢な筈の全てが、崩壊するのは戦慄するだろう?」
「……」
「……ククッ……楽しそうで何よりだ」
「何でだよ」
「さて?何の事か?」
「意味解ん無ぇ」
「似た匂いがした。とでも?」
「気持ち悪ぃ」
「笑えるだろう?」
「死ぬ気なんて無ぇよ」
「奇遇だな。俺もだ」
「チッ……本当良い性格してるぜ?お前」
「お褒めに預かるとは嬉しい限り、だ」
「マジムカつく」
「……クククッ……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『ソレ』を例えるなら、絶望的な快楽
破滅嗜好が身も心も染み付いてしまって
その欲望に溺れてしまいたい
そんな背徳感すら興奮しそうな
また銃口に口付けを求める
また飛び散る飛沫に濡れる
好きなんだ、多分
嫌いなんだ、本当
ソレは歪に絡まって
「ココデ、シネヨ」
気道を塞いでは吐き出した
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
別にMじゃ無いです←
ただ、根源的に持ってる被虐嗜好に惹かれるだけ
肉体的な痛みや精神的な安定や
埋まらない空白への代用品
ある意味愚者みたいに、自ら崖へ進みたくなるのです
背中合わせで呼吸する彼奴の
余裕綽々に足を組んで座る
後頭部に銃口を押し当てて
苛立たしげに立ち尽くす
首筋を片手間に圧迫してやる
淡々と脈打つ鼓動を聴きながら
その口元には、解読不能の笑みが浮かんでいた
(嗚呼、愉しい)