それは死者の祭なんだと、何かで読んだ



「君が嫌いだよ」

当たり前な顔で適当に寛ぐ影に不意に放つ言葉

相手がコチラを見る気配がするが、コッチは一瞬たりとも目を向けない

「唐っ突…」

君の言葉は苦笑混じりな声だったー…



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「この世界で、今僕が消えても、きっと何も変わらないよ」

「そうかな?」

「そう。そして僕が居ない事で、誰かは幸福になるんだ…」


そうであってくれたら

どれだけ自分は救われるのだろう…?



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「君は悪戯ともう一方なら、どっちを選ぶ?」

何時もの様に、距離を挟んで

視界に映らない君に声を掛ける

「悪戯する方が好き、でも、君の悪戯なんて想像付かないや」

軽薄な笑い

「そうかな?」

「そうだよ」


夜はただ更けて行くー…



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「君に悪戯してあげる」

「どんな?」

暗い夜に、冷たい空

「僕を…」

唇の動きを止めた時、君はどんな顔をするのかな?



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一瞬の驚き

何時もの平常な顔

伸ばされた腕は月明かりに照らされる

微かに笑う自分

何時もの笑みが消えた君

首に添えられた両手に、優しく触れてあげた



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月明かりと、夜に浮かび上がる

力無く横たわる姿

白い肌が余計白く映えるから

君はこのまま目が醒めないと思った






「らしくないね」

素直にお菓子をねだれば良いのに


冷めた星が、流れた気がしたー…