福岡県筑後市のリサイクル店の従業員日高崇さん=当時(22)=への殺人容疑で逮捕された同店経営中尾伸也容疑者(47)の実家周辺の集中捜索で、日高さんとは別人の骨が見つかったことが17日、捜査関係者への取材で分かった。
DNA鑑定で日高さんのDNA型と一致しなかった。

関係者によると、伸也容疑者は日高さんを含む不明者数人について「死亡し遺体を遺棄した」と供述しており、県警は、骨の身元特定を進めるなど、事件との関連を調べている。

捜査関係者によると、県警は今年4月に窃盗容疑で伸也容疑者と妻知佐容疑者(45)を逮捕した後、5月13日から約20日間、殺人容疑で筑後市内にある実家や周辺の川を捜索。
実家の庭の土中から見つかった人骨の一部が日高さんのDNA型と一致、県警は殺人容疑での夫婦の逮捕に踏み切ったが、一致しない骨も周辺から発見された。

一方、関係者によると、日高さんと同僚の男性従業員が日高さんと同時期に行方不明となっていたことが分かった。

夫婦は2004年5月から筑後市内の自宅アパートで日高さんに暴行を重ね、6月に外傷性ショックで死亡させた疑いが持たれている。

7月に日高さんの所在が分からなくなったのを心配した家族が筑後署に相談した際、不明当時は19歳だった男性従業員の家族も同席。
署を訪れた伸也容疑者は「(男性従業員は)日高さんが一緒に連れて行った」「自分の意思で出て行った」などと署員に説明していたという。

日高さんの母親は17日、県警を通じて「10年間生きていると信じて待っていました。しかし亡くなったという事実を知ることになり、悲しみに暮れています」とのコメントを出した。
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