患者1人あたり5916万円の国立病院も コロナ補助金「効果」に差

2021/11/4

 新型コロナウイルス対策に協力する医療機関に支払われる補助金をもらった国立病院について、受け入れたコロナ患者数と補助金の関係を財務省が調べたところ、病院ごとに大きなばらつきがあることがわかった。患者1人あたりの受け取り補助金額が平均の6倍以上の病院もあり、財務省は「補助金の費用対効果の検証が必要だ」とする。

 この補助金は、コロナ患者のための病床を確保したり、コロナ対応の施設整備をしたりした医療機関に国が支払うもの。財務省が10月にあった有識者会議「財政制度等審議会」に出した資料によると、2020年度に患者を受け入れた国立94病院には計947億円が支払われた。

 同省が各病院の受け入れ患者数と補助金額を比べると、3病院では補助金9・4億〜14・8億円を受け取ったが、患者数は25〜36人にとどまり、患者1人あたりの補助金額が2610万〜5916万円に達していた。

 1人あたり平均は944万円といい、多くの補助金を得た病院が必ずしも大勢の患者を受け入れたわけではない実態が浮かんだ。