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01信号の海底探索


「1の世界では遠く離れていた」

「1と0の世界では届かない」

「0の世界では消滅した」

あぁ…ならばどうすれば…?

―――――ーーーーーーーーーーーーーー

一度触れた『それ』は、余りにも強烈な存在だった。

順応する数が固体値に変貌する。

あぁ…、

高い空に手を伸ばす。

「アレを空と呼び、欲する者よ」

遠い色彩は淡濃を滲ませている。

「汝に問おう、我が手に在るモノは何か?」

突き出した腕の手を軽く握る。

誰に語る訳でも無い振動は、波を弱めて消え去った。

「コレは何だ、空気か、空か?」

押し問答に解など求めては居ないが…。

似ている。

『それ』におけるχなど、今の自分には解けないのだ。

混ざり合うか?

消えるだけか?

0の世界では全てが無だ。

1の世界では永遠に等しい。

この場所はどうか?

0と1の世界、その狭間に限り無く迫った時…

0.000000000000000001%の瞬間。

俺は『それ』に辿り着くのか…?

仮説は域を出ず、今度も鐘が鳴った。

動き出す数の海に沈む。

騒々しい波に揺れながら歩く。

何時になれば、この難題に終止符は打たれるのだろう…?

だが、俺は知っている。

「二律背反こそが、最大の快楽たる事象である」…と。
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