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世界の支柱と調律者

目を開いていなさい

耳を澄ませていなさい

貴方が進むべき路を決める為にー…




白い世界だ

何も無く、奥行きも高さもハッキリしない


夢魔が来るのだろうか?

いや…気配がしない…

静か過ぎる



『ーーよ…』



「誰だ!?」

大人とも子供とも

ましてや男女の区別も付かない声

姿が見えない

「…誰だ?」

もう一度、問い掛ける

『見つめなさい、感じなさい…。知るべき事を知り、知らざる事は秘めなさい』

声が続く

『選択は常に、裁定も常に』

見上げれば高い頂に影が1つ

指を、差し示された気がした…

『その刃は殺すモノ、汝の姿、朱の路』

目の前には、1振りの刀がある

『力を得る者に争い、争いには傷跡と死。なれど、掴まなければそれはまた別の路』

「……………」

『さぁ、選ぶが良い』

これもまた選択の内

俺は、手を伸ばし刀を取った

「死も修羅も、陰も呪も、知らなければ進めない。この刀は殺すモノ、でも…」

刀が淡く発光し風に包まれる

風か止めば、そこには青年が居た

白灰の髪に、緑の目

薄く微笑している気がした

「それだけじゃない」

ふ、と笑い返し、影を見上げる

「殺意だけに有らず、害意だけに有らず」

隣に立つ青年も微笑を消し影を見据えている

「業と宿星に在りて、未だ定まらぬ天命ならば、歩みを止めぬ限り選び続ける」

影の姿は不安定に揺れていて、元の姿が解らない

だが、コチラを視ている気がした

影を見上げる2対の瞳

『忘れるな…』

声が届く

『数多の選択、歩み出す筋道、時の流れ…、幾星霜紡がれては流れ去る…』

これもまた、路の内…

気が付けば影と青年は居なかった

振り向いた先

遠くに立つ人影が、笑った気がしたー…







目を醒ます

見慣れた天井があった

「…夢…?」

内容を覚えていない夢

それでも『記憶』している夢

「…………」

上体を起こし、薄暗い空間に目が慣れる

横の鞘を取り、見つめる

何かを言われていた

大事な事、知るべき事

だが、覚えていないなら…

今は知るべきでは無い事

「…此もまた、天命…か…」

静かな朝に言霊を紡ぐ

薄く笑うと、鞘を置いて立ち上がる

今日は晴れそうだー…








其れはまた別の路

其れはまた必然の邂逅








「…彼が、此の世界の[龍]の血を持つ者…か…」







世界は今日も何処かで交わりを続けているー…
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