忘れられた街
深い深い森の中
密かに生きる命の姿ー…
「ニンゲンが居なければ、こんな風に静かな森が増えるのかな?」
鋭い鎌を持ち微笑する
「そうかもな」
幻惑の蝶は頷いた
「私の命令は、貴方と貴方が望むモノを守護する事…」
鋼鉄の身を盾に変える
「俺、此処が好きだ、だから、護るよ…」
2振りの刃を手に己を磨き
「ニンゲンなんて、アタシが噛み砕いてあげるよ♪」
素早く地を駆ける、小柄な影
「私は…その…ニンゲンにも…興味があります」
小さな人形は思いを馳せ
「…私は…ニンゲンの手の上で踊らされ続ける為の存在よ…」
孤独な演舞は静かに続く
「此の大地はな、俺達で作ったんだ…ニンゲンなんかの欲の為じゃねぇ」
開拓者は地を進み
「…此処は…何処、だ…?」
棄てられた命が目覚める
「ニンゲン、騒々しくて嫌い」
檻から逃げて
「俺はニンゲンに創られはしたが…魂まで操作なんかされて無いぜ?」
自由を求める…
人が厭い
人が生んだ存在
彼等はそれでも
此の地に生きているー…