好きなら好きで良いけど、
好きが幸せでも無いんだから、堪ったもんじゃあ無いよね。
彼は言う「止まり木になりたい」って
それはまたいつかを願う心の隙間
言わなかった言葉と後悔と消化不良な感情が、
ぶつかってせめぎ合って溢れそうで、笑うだけで手一杯だから
逢いたい人の面影に添う事もしてられないから朧気だ
君を忘れちゃえば良いの?
でもまだ待つ事を止められない
探しにも行けないからどうしようも無い
学んだ事は、思い続けるのにも結構力が要る事だろうか…?
このまま時間だけ過ぎて、何かがどんどん磨り減って、その先はどうなんだろう?
それでもさ、やっぱり浮かぶのは、君の事なんだから、笑っちゃうよね…?
僕は思うんだ『真実とは常に一つきりなのだろう』と…
真実とは勝ち残った記録だ
幾多の分岐点を経た現実、れが真実
でも、違った結末だって『間違い』では無くて『本当』なんだろう
『運命』の定義が既に定められた記録ならば、それは産まれてから死んだとしても何一つ『自分で』選択も決定する事が無い事だろう
『平和 』が普遍的で何の変化も無い生活だと唱えても、些細な刺激すら無い世界を人は『退屈』だと否定する
どうにもこうにも矛盾が多いけど、それは人間だって完全じゃ無い証拠みたいだ
記録を眺めながら僕は考える
真実は正しく無い、間違いでも無い
善悪でも無いし、無意味でも無い
僕達はその中を生きているに過ぎない
繰り返しの様な事を続けながら…
支離滅裂の理想郷で完全になった僕達は一体どうなっているのだろう?
ひょっとしたら、今の方が遥かに素晴らしい時間なのかも知れない
「マスター、そろそろお時間ですよ」
パートナーの声に眺めていた本を閉じる
貸し出し禁止の棚にソレを返却し、僕達は図書館を後にした
擦れ違う見慣れた生徒に挨拶を交わし、廊下を進む
学生達は今を謳歌して居るが、僕はそう楽しんでも居られない
「さっきの資料は記録したかい?」
「勿論です!マスター、ボクは貴方のサポートが役目ですから」
愛らしいパートナーはどこか誇らしげに頷いて見せ、僕はそれに笑顔を向ける
お互い欠点は有ったって、やれる事ぐらいは有るものだ
人だって欠点や欠陥は有る、僕達みたいに協力していたり、補い合ったりする事も出来る筈だ
先の記録がどんな真実を残しても、受け入れて行かなければならない
僕は強くは無い、でも、それを成す為に僕は居る
「そろそろ、行こうか」
次の記録を残しに、僕達は未来へ足を進めた