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仄暗い電球の中から

 暗いな、と泉谷さんは思った。


 電球がおかしい。
 切れかけている? そういうわけでもない気がする。なんだか、暗いのだ。


 気になった泉谷さんは、電球を外した。
 やっぱりおかしい。表面が黒ずんでいる。


 汚れかと思ったが、そうではない。拭いても落ちる様子がない。


 ――どうせ、捨ててしまうんだから。


 そう思い、思いきってベランダのコンクリートに叩きつけ、電球を割った。


 出てきた。


 おびただしい数の、虫の死骸。
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