二岡さんは、綺麗な手を差し出した。
「鐘子ちゃんは、手相とかも見れンの?」
私は手をとる。
「少しなら」
「生命線、見てくんない?」
てのひらのまんなか。走る線を追いかける。
「えっ」
線は手の甲へ。
そのまま真っ直ぐ、またもとのところへ繋がっている。手を一周しているのだ。
「なんですか、これ」
「俺、幾つに見える?」
鐘子の質問には答えず、二岡さんは尋ねた。
「40…………」
「俺、今年還暦なんだよ」
絶句する鐘子。
「死なねぇンじゃないかな、俺」
二岡さんは、ため息混じりにそう言った。
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鐘子が見たこと、聞いたこと。説明がつかないことが、確かにある。
二岡さんは、綺麗な手を差し出した。
年 齢 | 35 |
誕生日 | 5月26日 |
地 域 | 東京都 |
職 業 | 公務員 |